2020/08/22 SAT

初期型ショップコートがバージョンアップして復活

一度は消えた、ブランド立ち上げ当初のオリジナルのショップコート「Garment Dyed Shop Coat」がリニューアルして再登場。その理由と改良点をディレクター南貴之が解説します。

Garment Dyed Shop Coat

始まりはショップスタッフ用のユニフォーム

ショップコートという名の通り、もともとは6年前(2015年)Graphpaper AOYAMAのオープン時に、スタッフ用のユニフォームとして作ったのが始まり。どちらかというと普通のセレクトショップのようにスタッフの個性やセンスをウリにするのではなく、アートギャラリーがコンセプトだったこともあり、製品が作品としてよりアイコニックな存在となるように、人の匂いや気配を消し、スタッフは作品を説明する人として機能してほしいと思って作ったコート。当時は今のようにオリジナルのコレクションはなかったから、このショップコートがGraphpaperのオリジナル商品だったんです。

Garment Dyed Shop Coat

工場泣かせの高圧の製品染めによる風合いと存在感

初期の製品から仕様変更や改良はしてますが、製法は変わってません。高圧をかけてポリエステルを130℃の高温で染めることで収縮を出すという特殊な製品染めの技法によってパッカリング(縫い縮み)の立体感が生まれているのが最大の特長です。実はすごい大変な作業で、色ムラが出ないよう、袖や襟、全部のパーツを一つ一つ留めてから窯に入れて製品染めする。しかも生地自体もこだわっていてマイクロスエードなどに使われる割繊糸という風合いのある糸を用いて生機(染色する前の生地)を作り、さらに特殊なもみ洗い加工でヴィンテージ調にしたものを使っているので、工場の作業負担が大きくてすごく嫌がられてました。当時、この染色法を取り入れているところが他にも結構あってだんだん工場がパンク寸前になったのか、仕上がりに色ムラはあるわ、値段は高いわ、やれないわで、これでは続けられないと思い、一度製造をやめたんです。

それから数年後、初期型モデルを買ってくれたお客さんから色落ちしてきたので新しいのが欲しいとの声をいただき、その染色のいっときのブームも落ち着いたし、めちゃくちゃ手間がかかって大変なのは相変わらずだけど、復活させることにしました。僕らも以前に比べたら数量をオーダーできるようになったので、多少の無理は聞いてもらえるようになって生産体制が整いました。

Garment Dyed Shop Coat

原型は生かしつつ、気に入らなくなったパターンは改良

復活させるにあたって、パターン上で僕的に気にいらなくなった部分を全部修正しました。袖は太く、アームホールは大きく、着丈も長く、身幅は少したっぷりに改善。特に袖の作りが特徴で、前から見るとラグランで、後ろから見るとセットインというスプリットラグランスリーブの仕様になってます。また、女の人が着たり、細い人、なで肩の人など、いろんな人に対応できるように肩に傾斜を入れてきれいに落ちるように作りました。肩位置が決まっていると、女性や細い人が着たときに見栄えがかっこよくないので。

Garment Dyed Shop Coat

そもそも襟型がショールカラーなんです。メンズのコートでは比較的珍しいのか、当時は好きで作ったんだけど今では僕の中でのブームも去り、にも関わらず、みんなの要望があったので、そのまま残して幅だけ少し太くしました。普通の襟では普通すぎたり、カッチリしすぎちゃうから、このほうが羽織りやすくて、ちょうどいいのかもしれません。しかも防風効果にも優れている。もとがシワシワなんで、丸めてカバンに入れておけばいいし、シワを気にしなくてもいい。こだわりの製品染めとパータンと機能性が合体してる、Graphpaper流のショップコートです。

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