2020/06/26 FRI

イラストレーター永井博の新作をプリントTで初公開

-ディレクター南貴之が語る、原画の再現性を極限まで突き詰めた、渾身のプリントTシャツができるまで -

2020年3月11日から2週間、伊勢丹新宿店メンズ館限定で、イラストレーター永井博さんとコラボレーションしたカプセルコレクションを製作し、ポップアップイベントを開催しました。その時は2点の作品でプリントTシャツとベンチコートを作ったんですが、今回のコラボ第二弾ではTシャツ1型をGraphpaper各店と卸先でも展開します。

一番の目玉は、プリントに採用している永井さんの作品。その経緯を説明すると、まず、3月に伊勢丹でアートを絡めた展示を行いたいという依頼を受け、僕がずっと憧れていたイラストレーターの永井博さんにオファーさせていただきました。永井さんと言えば、シティポップを代表するアーティスト大瀧詠一のアルバム『A LONG VACATION』のジャケットでもおなじみの巨匠です。

この度、コラボレーションをさせていただくにあたり何度かオフィスにも伺い、これまでの作品を複写したポジフィルムを見ながらプリントに使う絵柄を決めていったのですが、そんなやり取りの会話の中で、永井さんが「最近これ描いたんだよね」と言って、描きたての生の原画を見せてくれたんです。それがすごくかっこいいなと思い、「これ使えないですか?」って聞いたら、ご快諾いただき、今回のGraphpaperのプリントに使用することになったわけです。これには続きがあって、僕はその絵をどうしても欲しくなってしまい、キャンバスに描かれた原画なんで当然ど偉いお値段だったのですが、イベントや対談などでその後お会いする度に、「お譲りいただけませんか?」としつこく頼み込んだところ、なんとか譲っていただけることになりました。

そういう訳で、最近描いた上に、僕が所有させていただいているので、まだおそらく誰も見ていない初公開の作品を使わせていただいてる、実にレアなTシャツになっております。

それもあって、よりスペシャルなものにしたかったので、伊勢丹別注ではフロントにプリントしましたが、今回はバックにして、さらに僕の好きな永井さんの手書きのサインをフロントの胸部分にプリントではなく細かい刺繍で入れました。

- キャンバスの目が見えるほど原画を忠実に再現 -

これまでも永井さんのプリントTシャツはいろいろなところで販売されてますが、印刷が全然よくなくて、僕は本当に絵と比較しても遜色ないぐらいまでに再現したかった。

そこで思い浮かんだのが、90年代、アートTシャツをいろいろ作っていた「poetry of sex」というブランドで、そのプリントが写真やアートをリアルに再現していて僕も好きだったんです。たまたま知り合いづてに、このpoetry of sexのTシャツを手がけていたプリント工場に出会いまして、そこに依頼して作ってもらっています。

今回のコラボレーションでは、デジタルやインクジェットプリントが主流のところを、あえてシルクスクリーンによるフルカラープリントを選択しました。さらに熟練の職人による製版技術でCMYK(シアン・マゼンダ・イエロー・ブラック)それぞれの版を作成し、4色の重なりで絵柄を表現しています。しかも手刷りではなく、最低でも1000枚ぐらいは作らないと採算が取れないような、日本に数台しかない特殊なオートスクリーン印刷機を用いました。これにより生地の厚みを加味して、生地と版の高さをミリ単位以下の微調整をしながら一定の圧力をかけ、均質で安定したクオリティで限りなく原画に忠実にプリントすることができました。よく見ると、キャンバスの目まで確認できるほどです。

実は、ここに至るまでに、他のメーカーでもコストが抑えられるインクジェットや転写プリントも試しましたが、Graphpaperの吊り編みによる度の詰まった丸胴天竺の生地だとインクが染み込みすぎてしまったり、原画を再現し切れなかった。なので多少コストがかかったとしても、これが再現性を優先したベストな手法でした。

どうしてもこのTシャツで、作品の凄さや価値を知らしめたかったんで、服がわかる玄人が見てもかなりマニアックなヤバイ印刷だし、一般の人が見ても面白いと思ってもらえるようなエゴの強い、自信作に仕上がっています。

 

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