2020/09/04 FRI

80年代のガリウールを再解釈したクリアなウールギャバジン

ディレクター南貴之が考える、ガリウールを今に進化させたオフスケールウールで作るGraphpaper流テーラードスーツのあり方。

Selvage Wool Double Jacket / High Gauge High Neck Knit / Selvage Wool Taperd Slacks

もともと僕は、ガリウールという、80年代のコム デ ギャルソンやヨウジヤマモトがジャケットなんかでよく使っていた生地がすごく好きだったんです。学生服に使用するようなガリガリに厚い、昔から愛知県一宮の機屋さんで作っているようなウールギャバジン生地なんですが、今では地厚すぎてそれを作ってるところはなくもっと進化しています。
とはいえ、当時のガリウールっぽい質感を持ちながら、オールシーズン愛用できる生地を作れないか、ということで、ある機屋さんと開発したのが、オフスケール(繊維の毛羽を取る加工)ウールです。旧式のシャトル織機で織り上げた厚すぎず、薄すぎずのオリジナルのウールギャバジンに、特殊なオフスケール加工をして、ナイロンのようなクリアな表情に仕上げています。

Graphpaperはきれいめな生地が多いけど、ウールギャバジンはこれしかありません。
この生地が最高すぎて、今のところこれに勝るものがないんです。

この”Selvage Wool”と名付けたシリーズでは、Graphpaperとしてのテーラードスーツのあり方を踏襲しています。シルエットはウエストのくびれのないボックスで、肩パッドもない。だけど前立てはフル毛芯で昔ながらのテーラードの仕様。完全なるテーラードの工場って本来は肩パッドも入った、しっかりしたものをやりたいんだけど、僕はそれが嫌だったので、思い通りに仕立ててもらうことが結構大変でした。最低5回はパターンを作り直してます。

総裏でなく背抜きにしたのは通年使えるようにするためでもありますが、縫製の綺麗さをきちんと見せたかったというのが大きい。正直言って、裏地を付けるのは雑な縫製を隠すためだから、裏側が見えたほうがいいんです。

そしてポイントは、センターベントからちらっと見えるブランドネーム入りの耳。これもいわゆるテーラード生地の耳に文字を打つという手法で、今これを付けられる機屋さんがほとんどなくなってきていて、織る際の紋紙っていう型紙を作れる職人さんなんて、もう数人しかいないらしいんです。先日、一宮に行ったときに、ネームを入れるには紋紙がいると聞いてどうしても使いたくて作ってもらいました。でも、わかりやすく表に使うのはナンセンスなので、裏側にちょっとだけ見えるようにしています。
「わかる人にはわかる」ツウ向けの印です。

Selvage Wool Double Jacket / High Gauge High Neck Knit / Selvage Wool Taperd Slacks

きちんとテーラードの基本に則ってるけど、いわゆるスーツの堅苦しさは嫌だったので、気軽に羽織れて、はける、これでスケボーもできるぐらいの、僕的なスーツの概念を表現しました。肩パッドの入ったビシッとしたスーツをGraphpaperで作っても仕方がないし、興味もないし、着ないから。ただ洋服を知らない人たちではなく、洋服のわかる人に向けているので、きちんとテーラードの工場で縫製しているのがこだわりです。

右 Selvage Wool Jacket / L/S Crew Neck Tee / Selvage Wool Cook Pants 左 Selvage Wool Double Jacket / High Gauge High Neck Knit / Selvage Wool Taperd Slacks

ジャケットはシングルダブルの2タイプ、きっちりしてるんだけどカジュアルな抜け感があって、ピタッとフィットするようには作られていません。

右 L/S Crew Neck Tee / Selvage Wool Cook Pants 左 High Gauge High Neck Knit / Selvage Wool Taperd Slacks

パンツは対になるようにいつものシグネチャーのシェフパンツワイドシェフパンツテーパードスラックスの3タイプ。スラックスは後ろにだけゴムを入れてラフにはけるように、ただ見栄えは完全にスラックスのシルエットで仕上げてます。

Selvage Wool Double Jacket / High Gauge High Neck Knit / Selvage Wool Taperd Slacks

それぞれ単品でも使えますが、僕はセットアップが好きなので、できればスーツで着てもらいたい。
逆に中に合わせるものをTシャツハイゲージのニットで抜くのがおすすめです。

Selvage Wool Padding Coat / Selvage Wool Jacket / Oxford L/S B.D Box Shirt / Selvage Wool Cook Pants

Selvage Wool Padding Coat

他にも、アウター感覚で着られるようなボックスシャツや中綿入りのパディングコートも展開してます。”Selvage Wool”でスーツからコートまで一揃えでセットアップで着てもらえたらいいなと思ってます。

僕の意図するところではなかったんですが、スーツにネクタイ締めて出勤するというわけではないけど、ちゃんとした格好をしなければならない人って結構いて、例えば、IT系や建築家だったりクリエイティブな職種の人たちに、このスーツは支持してもらっているみたいです。

 

”Selvage Wool”シリーズは下記のURLから商品をご覧いただけます。
https://graphpaperframework.com/list/?cate=Selvage%20Wool


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