素材、シルエット、ディテール…ディレクター南貴之が自ら着たいコートを追求した結果、生まれたこだわりの冬のコート2型。

Wool Cashmere Melton Coat / High Gauge High Neck Knit / Colorfast Denim Two Tuck Pants
冬の定番コートとして、初期から展開している、ウールカシミヤメルトンコート。ヴィンテージのフランス製のバーバリーのコートを持っている人がいて、当時はオーダーメイドで作られているものも多かったようで、そのコートはめちゃくちゃデカい一枚袖にカフスが折り返してあるデザインだったんです。そのデカさと形を現代的に落とし込めないかと思ったのがきっかけ。コートは中に着込むし、ボリュームも出したいし、袖幅があるほうが好みなので、デカいクラシックな袖とカフス、比翼仕立ての前立てに、縦横両方から入れられるポケット、ずっとこの形で作っています。シルエットはほぼこれで決まり。



生地は、希少価値のあるタスマニアウールとカシミアの原毛を混紡した二重織りのメルトン。洗いと縮絨を繰り返すことで密度を高め、さらに表面を起毛と剪毛し、原料の味を引き出しつつきれいすぎない目面に仕上げ、昔ながらの生地の良さを再現してます。もちろんしっかりと詰まったメルトンなので重さは多少あるけど、「男のコートは肩で着ろ」という感じで、むしろその重厚感がかっこいい。

Wool Cashmere Melton Coat / High Density Crew Neck Knit

Wool Cashmere Melton Coat / High Density Crew Neck Knit / Triple Cloth Wide Chef Pants
カラーは、ネイビーとキャメルに、今季からダークグレーが新色として加わりました。Graphpaperは、グレーの服が多いから、ワントーンのコーディネートができていいかなと。

Double Cloth Moleskin Coat / High Gauge High Neck Knit
そして、2020AWの目玉は、上質なスピーマコットンを二重織りしたダブルクロスのモールスキンコート。そもそも生地が最高すぎるんですが、ウールでなくコットンで完全に防寒アウターとしての機能を持たせたいと思い、かつモールスキンの質感を生かして二重織りにすることで厚手であたたかい生地に仕上げてもらいました。良い生地を求めて出逢った浜松の機屋さんで、糸をかなり強く打ち込んでもらっているので目面がきれいだし、本来なら打ち込むとガチガチで重たい生地になるんだけど、糸自体も上質だから硬くならない。それどころか両面を針布起毛して、表面はシャーリング加工できれいに刈り上げてあるので、コットンなのにウールみたいにふっくらして滑らかな肌触りになっています。

Double Cloth Moleskin Coat / Wool L/S Oversized Tee

Double Cloth Moleskin Coat / Washable Wool High Neck Tee
デザインは、ダブルのオーバーサイズで、バサっと羽織って終わりみたいな男らしいコートを自分が欲しかったので、その理想を形にしました。
ディテールは、昭和のおっさんのいなたい雰囲気にしたくて、ラペルの幅を広くゴージの位置を下げています。僕の中ではクラシックなコートなんですが、この生地でどれだけモダンにできるかを考えました。体型がガッチリしてる人だけでなく、細い人が着てもかっこいいと思います。一枚で決まる服がいいというのが持論ですが、特にコートは、それだけで印象が左右するものなので、男らしくてかっこいい、このモールスキンコートなら完璧だと思います。

Double Cloth Moleskin Coat / ”LOOPWHEELER” for GP Sweat Parka(10月17日発売予定)
ある程度年齢も重ねて、いろんな服を着てきた中で行き着いた終着点的なコートとして、コートに負けないぐらいの年輪を重ねた方や、服のわかる玄人にこそおすすめしたい。それぐらい振り切った気持ちで作っています。オーバー40のためのコート、僕もやっと40代中盤に差しかかってそこに到達できました。
とはいえ、Graphpaperのコートは、基本的には、中に何を着るかあれこれ考えず、コートを着ればコーディネートが完成するように、何にでも合うように作ってるので、上からバサっと羽織るだけでいいんです。